その晩
シマ次郎にもらった大量のドーナツをどうやっつけるかで ミミリンは頭を悩ませていた。
近所におすそ分け… いやいや、ミミリンにとってシマ次郎からもらったドーナツを他人に分けるなんて論外だ。
しかしこれだけの量を一気に食べれば健康と美容にはかなりの害だ。 かといってゆっくり食べて腐らせてしまえば、それこそ 裏切り行為に等しい。合わす顔がない。
ここは、身を犠牲にしてドーナツを食べる決心をした。
しかしこの想いが、ミミリンに悲劇をもたらすことになろうとは、 ミミリン本人も、ドーナツをあげた張本人のシマ次郎も知る由はなかった。
シマ次郎はこの晩、サーロインステーキだった。 焼き加減はナマ。 トッピングはトリッピィからもらった卵を使った目玉焼きだ。